「黒い新幹線」「世界最速の美術館」として、斬新な外観とインパクトで有名であった「現美新幹線」。
その圧倒的な姿が、インスタ映えすると老若男女関わらず、多くの方に人気を得ていた。
そんな人気絶頂の中、昨年12月に定期運行を終了し、「世界最速の美術館 〜現美新幹線〜」が閉館したのだ。
2016年4月から、上越新幹線 新潟ー越後湯沢間にて、土日を中心に臨時列車として運行開始した、現美新幹線。
秋田新幹線で走行していた「E3系」を改造し、姿を大きく変えて、上越新幹線を駆け巡っていた。
運行開始から4年8ヶ月という短い時間の運行であったが、新潟県の鉄道・観光業界に大いに貢献した事は間違いないだろう。
現美新幹線自体も魅力的であったが、新潟の「四季・自然・山・海・川」。
色とりどりの姿を見せてくれる、新潟県の風景、いや、上越新幹線の沿線の風景。
その素晴らしい姿を見せてくれる、上越新幹線沿線を走る事が魅力だったのかもしれない。
上越新幹線は東京ー新潟間 333・9km、約2時間の距離であり、他の路線に比べて、比較的短い路線である。
全国的にみても、新幹線はどの路線も終点に向かって乗客が減少し、自由席・指定席共に空席が目立つ。
東海道新幹線は、山陽新幹線と直通運転をしている為、例外もかもしれない。
現在、新型コロナウイルス感染拡大防止による、移動自粛のため、各新幹線は乗客が大幅に減少している。
ここで移動自粛以前の上越新幹線旅客動向を、少し振り返ってみよう。
東京駅を出発し、大宮駅を過ぎると満席状態となるが、高崎駅では多くの出張客や通勤客が下車し、乗客も半分近くに減る。
また、ウインターシーズンになると、上越新幹線の車内はスキー板やスノーボード板を持ち、大きな荷物を持った「インバウンド(訪日旅行客)」の姿を多く見受ける。
そのインバウンド客も越後湯沢駅で下車し、終点新潟駅に向かい乗客が減少していく。
長岡駅から燕三条駅・新潟駅までは、新幹線通勤・通学利用者で自由席は賑わうが、指定席は閑散としている姿が見受けられる。
もちろん、土日や年末年始などの繁忙期に関しては、旅客動向は変わる。
ざっくりであるが、これが新型コロナウイルス感染拡大防止による、移動自粛以前の上越新幹線旅客動向である。
「越後湯沢駅で降りる、インバウンド旅行客をどうやって、先(新潟方面)に乗車してもらうか?」
これこそ、これからの『新潟県内を走る、上越新幹線の課題』だろう。
越後湯沢周辺はインバウンド旅行客に限らず、キャンプやトレッキングなどのアウトドアが楽しめ、年間を通して多くの観光客が訪れる、言わずと知れた人気スポットだ。
毎年夏には「フジロック」などの大型イベントも開催され、駅周辺をはじめ、町全体が賑わう。
東京〜越後湯沢の所要時間は、約1時間15分。
大宮駅からだと、1時間も掛からない距離で到着し、首都圏からの近接性・立地性は優れている。
越後湯沢駅から先、上越新幹線の終点「新潟駅」までは、時間的に約50分、距離的には134・7Kmであり、首都圏に向かう時間よりも短い。
首都圏から越後湯沢に訪れる方の多くは、周辺でイベントやアウトドア、ウィンタースポーツなどを完結し、首都圏などへ向かう例がほとんどであろう。
私の知人の中にも、「越後湯沢には、ウィンタースポーツやフジロックで何度も訪れているが、その先(新潟方面)には一度も行った事がない!」という知人が、何人もいたのが事実である。
その為にも、「観光客を呼びつける様な、目玉の列車」「上越新幹線を走る観光列車」が必要不可欠であると私は感じる。
今後、現美新幹線に変わる、「上越新幹線を走る観光列車」の予定は残念ながら、今のところ聞かない。
現美新幹線という、一つ目玉の観光列車が去ってしまったが、観光列車は地域の活性化の一役を担う事は確かだろう。
今後、観光列車を観光素材として活用し、新潟の観光・鉄道業界、そして様々な業界が盛り上がって欲しいと願う。
その為にも、新型コロナウイルスの早期終息を願うばかりだ‥‥
現在、《新潟初!元鉄道マン!鉄道フリーランス》の肩書き。
今後、少しでも、新潟県の観光事業活性化・移住促進に繋がる事があれば、応援したい。
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