JR東日本は、11月12日付のプレスリリースで、東海道線特急について来年春のダイヤ改正で大幅な変更をすると発表しました。
「踊り子」車両をE257系に統一 185系は来春引退
今年春のダイヤ改正から一部列車での運行が開始されたE257系リニューアル車ですが、来年春の改正で残りの全列車がE257系での運行に統一されます。これにより、残り少ない国鉄特急の185系は「踊り子」の運用から撤退します。
自由席は廃止、全車指定席に 乗継割引も終了
今回、常磐線特急や中央線特急などに導入されている新たな着席サービスが、東海道線にも導入されます。これによって「踊り子」号の自由席は無くなり、すべての座席が指定可能になります。「座席未指定券」も発売されますが、指定席特急券と同額で、さらに途中駅から指定券を持った方が乗ってきた場合には座席を移動しなければならないなどの制約があります。
さらに、料金体系の変更に合わせて新幹線と「踊り子」号との乗継割引が終了します。
特急「湘南」運行開始 ライナーは運転取り止めへ
通勤向けの新たな特急列車として、特急「湘南」の運転が開始されます。しかしこれに伴って現在運行されている「湘南ライナー」「ホームライナー小田原」「おはようライナー新宿」の運転が取り止めになります。通勤でライナー列車を利用していたユーザーにとっては値上げとなってしまいます。
特急「湘南」の停車駅・時刻は?
特急「湘南」の停車駅は、
小田原、(国府津)、(二宮)、(平塚)、茅ヶ崎、(辻堂)、藤沢、(大船)に停車し、
東京行きは、品川、(新橋)、東京に、
新宿行きは、渋谷、新宿に停まります。
※()内の駅は一部列車のみ停車
「えきねっとチケットレスサービス」が利用可能に
事前にインターネットで座席を予約し、駅で切符を受け取らずに乗車できる「えきねっとチケットレスサービス」が、東海道線でも利用可能になります。さらに「えきねっとチケットレス割引」として、100円の割引が受けられます。
今回の発表を受けて
東京~小田原間で「湘南ライナー」を利用していたユーザー
まず、東京~小田原間で、「湘南ライナー」を利用していたユーザーは、「えきねっとチケットレス割引」を使えば920円で特急「湘南」を利用できます。ただ、新幹線を利用するのも良いのではないでしょうか。
在来線定期券(磁気券のみ)と併用可能なJR東海が発売している「新幹線自由席回数特別急行券(定期券用)」を使用すれば東京~小田原間の特急料金は990円となりますので「湘南」の特急料金+70円で新幹線を利用することができます。
新宿~小田原間で「ホームライナー小田原」「おはようライナー新宿」を利用していたユーザー
こちらも、「えきねっとチケットレス割引」を使えば920円で特急「湘南」を使うことができます。ただ、小田急ロマンスカーという選択肢もあります。ロマンスカーの特急料金は910円。ただしJRの定期券では使えませんので、通勤経路を変更する必要があります。
東京・新宿~小田原より手前でライナーを利用していたユーザー
基本的には特急「湘南」の利用か、普通列車グリーン車の利用になるでしょうか。ただ、平日の51km以上でのグリーン料金は1000円、グリーン定期券を購入したとしても混雑して座れない可能性も大ですから、920円で特急「湘南」に乗る方が良いと思います。
混雑悪化の懸念も
ただ、今回の変更でライナーを利用していたユーザーにとっては大きな値上げとなってしまいますから、普通列車の利用に切り替えるユーザーも少なくないと思われます。その結果、普通列車の混雑が悪化してしまうのではとの懸念もあります。最悪の場合、混雑による慢性的な遅延につながる恐れもあります。
最後に
今回の変更で自由席ユーザーにとっては値上げとなってしまう「踊り子」号。新幹線との差額が縮まってしまったこともあり、今後利用客数などにどんな影響が出るか、正直心配な部分もあります。
「踊り子」として走る185系が見られるのも残りわずか。消え行くものの記録はお早めに。
(記事編集:てつトリ管理人)
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