小田急箱根は、2026年3月より小田原駅〜箱根湯本駅間を走る普通列車(4両編成)において、ワンマン運転を導入する方針を正式に発表しました。これは、全国的に進む鉄道業界の乗務員不足に対応し、持続可能な鉄道運行を実現するための一環です。

鉄道業界でワンマン運転が拡大する背景
日本全体で生産年齢人口が減少している現在、鉄道各社では乗務員の確保が大きな課題となっています。このような背景から、今後の安定的な運行体制を維持するために、乗務員1人で列車を運行するワンマン運転の導入が発表されました。
ワンマン運転導入に伴う安全対策
ワンマン運転とは、車掌が乗務せず運転士1人で運行を行う方式です。そのため、安全対策の強化が不可欠となります。
小田急箱根では、まず各車両の側面に計4台のカメラを設置し、ホーム上の様子を運転席のモニターで確認できるようにします。これにより、乗降時の安全確認を運転士が単独で行うことが可能になります。車体側方カメラについては、既に2025年2月より検証を行い、夜間や雨天など視界不良な状況下でも問題なく機能することを確認しているようです。
加えて、ホームのない側のドアを誤って開けてしまうことを防ぐ誤開扉防止装置が導入されます。
また、すべての車両に車内防犯カメラを設置することで、車内のトラブルや犯罪の抑止力を高めるとのことです。
今後のスケジュールと導入予定
ワンマン運転の開始は2026年3月の予定で、これに先立って2025年11月からは、乗務員の習熟運転が開始される予定です。ワンマン運転開始の具体的な日付は今後発表されます。
あとがき
ワンマン運転の導入は、小田急グループにおいて、ケーブルカーを除けば初の試みとなります。小田急はこれまで、出発時の安全確認に特に時間をかける姿勢で知られてきました。
今後、ワンマン化によってその安全確認のプロセスがどのように変化するのか、技術の進化によって効率化が進む一方で、「安全第一」という小田急の姿勢が、ワンマン運転という新たな運行形態の中でどのように体現されていくのかが問われることになります。
また、ワンマン運転が将来的に10両編成などの長編成列車にも拡大されるのかどうか、今後の動向にも引き続き注目していきたいところです。
コメント